企業において“自立”と“成果主義”が叫ばれて、もう長くなります。この“自立”と“成果”を求めてコーチングやメンタリングが導入されて来ました。 通常、メンタリングというと、制度として組織に導入・実施することが多いのですが、最近、特に、若手マネージャー候補の社員に対して、外部から契約プロメンターを配置するケースが増えて着ました。実は、これには様々な背景があります。
<職場の状況>
職場において仕事の内容や人間関係の問題からくる精神的なストレスで悩む人がどんどん増えています。生産性が落ちている社員、ヤル気を失くしている社員、迷っている社員、不安を感じている社員、自信を失っている社員・・・そんな人が増えているのです。そして、それらの状態が続き、精神疾患を患う者も少なくありません。考えられる要因としては、経営環境の変化のスピードの加速化、人間関係の希薄化、業務に必要な知識・スキルの多様化と変化・・・等があげられますが、どんどん深刻な状態になって行っているのは間違いありません。
<学校と社会のパラダイムの格差>
特に、学校を卒業してからの年数が少ない人達に見られるのが、パラダイムのギャップによる戸惑いです。学生時代には、一つの正しい答えを、与えられたプロセスに従って解いていけばよかったのですが、社会に出た途端に、課題や問題を自らが設定し、一つの正しい答えの無い問題に対して取り組まなければならなくなります。このギャップを乗り越える為には、新しいパラダイムに対する思考法やマインドを身につけなければならない訳ですが、誰もそんな事を教えてはくれないのが現実なのです。
<上司の状況>
さて、上司はと言うと、成果主義が浸透する中で、自らの業績を維持しなければならないので、一人一人の部下への細かい支援をすることが難しくなっている状態です。また、部下に必要な知識やスキルを、上司が必ずしも経験しているとは言えない程、業務が複雑化しているケースも少なくなく、適切な指導が困難な事もあります。
<解決方法>
このような状況下で、何の手立てもされないまま放置されている潜在能力の高い若者が多く居るのが現状なのです。本来は、組織的な支援の仕組みの中で解決されるべき課題ではありますが、現状では、なかなか手がつけられていません。長期的には、メンター制度等を導入して、組織に支援風土をつくるようなやり方が必要ですが、彼らには緊急の支援が必要です。彼らの意欲を上げ、業務に必要な知識やスキルを自ら手に入れることができるようになる支援を一時的にするのが“契約プロメンター”の役割です。その人の個性や状況に合わせて、上司にもできないような細かい支援や指導をしていきます。もちろん、社内のライン上の支援ではありませんので、直接、仕事の内容への支援をするのではありません。基本的には、セルフ・リーダーシップを身に付けることができるように導いていきます。組織も個人も成長には時間と手間ひまがかかるということですね。