2007年問題とは、いわゆる「団塊の世代」の定年退職が始まる2007年以降に彼らの持っていた様々な技術や能力や知識などが組織に残らずに消えていってしまうという問題です。2007年が注目される理由は、定年を60歳とすれば、1947年(昭和22年)生まれを中心とした団塊の世代の退職者が最も多く発生するのが2007年といわれているからなのです。 現在、企業を動かしている基幹システムやその他のシステムのほとんどは、この団塊の世代が築き上げてきました。団塊世代の人達は、ゼロからシステムを構築し、自らのノウハウで複雑な運用をこなしてきたのです。2007年問題という言葉は情報システムの分野から端を発しましたが、決してそのような狭い領域での話ではありません。団塊世代の退職については、全産業に波及する問題であることは明白です。特に、製造業においては深刻で、経済産業省、厚生労働省、文部科学省が共同でまとめた2005年版『ものづくり白書』においても、初めて2007年問題について触れています。ベテラン社員の一斉退職を迎え、技能の伝承に危機感を感じている企業は全産業で22.4%。これが製造業になると30.5%となり、他の産業に比べ高い数字となっているのです。 2007年問題への対策は、継続雇用などを活用し、団塊世代の技術やノウハウをできる限り継承していくことや、団塊世代が在職している時間を有効に活用し、"知識と経験の引継ぎ"を推進していく体制が必要だと言われているのですが、これがなかなかうまくいかないのが現状なのです。 その大きな要因が、世代間のギャップです。それは、仕事観、倫理観、人間観、人生観、ITへの依存度・・・などのパラダイムギャップが本質なのです。団塊世代の人達とその下の世代の人達が、このギャップを超えて様々なものを継承していくという事は、本当に至難の技なのです。それを可能にしてくれるのが“メンタリング”です。メンタリングの基本姿勢である“一方を活かしながら、他方を活かし、新しい価値を共に創造していく”ことでしかこの問題を解決する事は不可能です。単に暗黙知などの知識の継承であるとか、技術(スキル)の継承であるという表層的なとらえ方では、2007年問題を解決することはできません。